仏検(実用フランス語技能検定試験)の勉強法とレベルの目安を、実施団体のフランス語教育振興協会(APEF)が公開している情報だけをもとにまとめました。内容は、協会の公式サイト(試験内容・試験形式、よくあるご質問、仏検公式ガイドブックの案内、学習のツボ)と、仏検実施要領によるものです。各級の学習時間・CEFR との対応・合格基準点は仏検とはのページ、試験日と時間割は仏検の日程のページ、申し込みと当日の流れは仏検を初めて受ける人への記事にまとめています。

試験で問われる力

協会は、各級の「試験内容」を「読む」「書く」「聞く」「話す」の技能ごとに説明しています。問題数・時間・配点は試験のページにあります。

  • 5級:読む=初歩的な単文の構成と文意、短い初歩的な対話の理解。聞く=初歩的な文の聞き分け、挨拶など日常の応答表現の理解、数の聞き取り。
  • 4級:読む=基礎的な単文の構成と文意、基礎的な対話の理解。聞く=基礎的な文の聞き分け、日常で使われる基礎的な応答表現の理解、数の聞き取り。
  • 3級:読む=日常的に使われる表現と、簡単な文による長文の理解。書く=日常生活で使われる簡単な表現や基本的な語句を正しく書く。聞く=簡単な会話を聞いて内容を理解する。
  • 準2級:読む=一般的な内容で、ある程度の長さの平易な文章の理解。書く=日常生活の平易な文や語句を正しく書く。聞く=日常的な平易な会話の理解。話す=簡単な応答。
  • 2級:読む=一般的な事がらについての文章の理解。書く=伝えたい内容を基本的なフランス語で書き表す。聞く=一般的な事がらに関する文章を聞いて内容を理解する。話す=日常生活のさまざまな話題についての基本的な会話。
  • 準1級:読む・聞く=一般的な内容の文章を十分に理解し、多様な分野の文章は大意を理解する。書く=与えられた日本語を、一般的な事がらも多様な分野も正確なフランス語で書き表す。話す=身近な問題や一般的な問題について、自分の意見を正確に述べ、相手と議論する。
  • 1級:読む=現代フランスの政治・経済・社会・文化にわたる新聞や雑誌の記事など、専門的で高度な文章を、限られた時間で正確に読み取る。書く=与えられた日本語を、フランス語としてふさわしい文に翻訳する(時事的な用語や固有名詞についての常識も前提)。聞く=ラジオやテレビのニュースの内容を正確に把握する。話す=現代社会のさまざまな問題について、自分の意見を論理的に述べ、相手と高度な議論をする。

4級・5級の「試験内容」の欄には、「読む」「聞く」と文法知識が挙げられています。

レベルの目安

学習時間・語彙の目安・CEFR との対応は、試験のページの表にあります。ここでは、協会が公開している、その表以外の説明をまとめます。

学習の量のたとえ

協会は、準2級・2級・準1級の「標準学習時間」に、大学での学習にたとえた説明を添えています。

  • 準2級:大学の3年修了程度。
  • 2級:大学のフランス語専門課程の4年程度。読む力だけでなく、聞き、話し、ある程度書く力も要求される。
  • 準1級:大学のフランス語専門課程を卒業した学力。新聞・雑誌の解説や記事を読んで、その大意を要約できる運用能力と知識が要求される。

文法の範囲

協会は、各級の「文法知識」を次のように説明しています。

  • 5級:初歩的な日常表現の単文を作るのに必要な文法知識。動詞は直説法現在、近接未来、近接過去、命令法の範囲内。
  • 4級:基礎的な日常表現の単文を作るのに必要な文法知識。動詞は直説法(現在・近接未来・近接過去・複合過去・半過去・単純未来・代名動詞)、命令法など。
  • 3級:基本的な文法知識の全般。動詞は直説法、命令法、定型的な条件法現在と接続法現在の範囲内。
  • 準2級:基本的な文法事項全般についての十分な知識。
  • 2級:前置詞や動詞の選択・活用などについて、やや高度な文法知識。
  • 準1級:文の書き換え、多義語の問題、前置詞、動詞の選択・活用などについて、かなり高度な文法知識。
  • 1級:同じ分野について、きわめて高度な文法知識。

語彙

語彙は、級ごとの語数の目安が示されています(試験のページの表)。3級・4級・5級の語彙については、協会が編集した公式の辞典があります(「公式の練習の材料」で紹介します)。

級の選び方

  • 受験資格は試験のページにあります。
  • 協会の案内:「何級を受けたらよいか」という質問に、協会は「7つの級の内容と程度」のページを見るよう案内しています。
  • CEFR との対応:実施要領は、仏検各級と CEFR の6段階の対応表が協会のホームページにあるので、参考にしてほしいとしています。DELF・DALF との対応を聞かれた時も、協会はこの CEFR との対照表を案内しています。
  • どの級を目指すか:春季の実施要領で協会は、CEFR の基準は DELF・DALF の6段階と同じと考えると分かりやすいとしたうえで、C2・C1 は同時通訳者やプレスの特派員、外交官のレベルとしか考えられないと書いています。大学でフランス語を始めて熱心に4年間学び続けた人は、B2、つまりほぼ準1級の域に達していて、自分の研究をフランス語圏の機関で深められる、とも書いています。
  • 併願・1次試験の免除:隣り合う2つの級の併願は初めて受ける人への記事、2次試験に進む人の1次試験の免除は日程のページにあります。

公式の練習の材料

協会が出している材料です。過去問の入手先は試験のページにあります。

仏検公式ガイドブック(有料の書籍)

協会が編集し、駿河台出版社が発売している公式の問題集です。協会のサイトでは「仏検実施団体APEFによる公式問題集」と紹介されています。毎年出る最新版は「1級・準1級」「2級・準2級」「3級・4級・5級」の3冊に分かれ、前の年度の春季・秋季の試験問題と解説が載っています。

  • 音声:最近の版は、音声を無料でダウンロード・ストリーミングできます。書籍にCDは付きません(同じ内容の別売CDは、仏検事務局へ連絡して申し込みます)。
  • セレクション:過去の実施問題から選んだ、解説つきの問題集もあります。1級・準1級・2級・準2級・3級・4級と5級(合冊)に分かれています。
  • 過去の版:駿河台出版社と仏検事務局で買えると案内されています。協会は、在庫があれば直接購入できるとしています。

仏検公式基本語辞典 3級・4級・5級 新訂版(有料の書籍)

協会が編集・公認する公式の辞典で、朝日出版社から発行されています。3級・4級・5級の必須単語を級ごとに色分けして、3級760語・4級400語・5級560語の計1720語を収め、各級のレベルに合わせた日常的な例文がつき、音声も収録されています。協会は「仏検で実際に使用された単語をベースに作成された辞典」と案内しています。

学習のツボ(ウェブのコラム)

協会のサイトには、フランス語教育の現場の先生方からいただいた「フランス語学習のヒント」として、「学習のツボ」のコラムが載っています。多くの回に初級・中級・上級の区分があり、書き手の先生の名前と所属が付いています。テーマには、書き取り、並べかえ問題、前置詞、冠詞、時制、語彙問題、準1級の書き取り試験、準2級の初めての2次試験などがあります。

合格者の声

協会のサイトの「合格者の声」には、合格した人が寄せた学習方法や、生活の中でのフランス語との関わりが載っています。

面接(2次試験)の評価の観点

2次試験(面接)がある準2級・2級・準1級・1級について、協会は各級の「評価基準」を次のように示しています。面接の進み方は初めて受ける人への記事にあります。

  • 1級・準1級:コミュニケーション能力(自分の意見を要領よく表現する能力)と、フランス語力(発音・文法・語・句)を判定する。
  • 2級:コミュニケーション能力(自己紹介、日常生活レベルの伝達能力)と、フランス語力(発音・文法・語・句)を判定する。
  • 準2級:日常生活レベルの簡単なコミュニケーション能力と、フランス語力(発音・文法・語・句)を判定する。

新つづり字については、試験問題とガイドブックでは当面従来の表記を使い、1次試験(筆記)の採点では新つづり字を使った受験者が不利益を受けないよう配慮している、と協会は説明しています。

出典